人気の高い革素材のご紹介

人気レザー ここでは、現在もっとも人気の高い革素材を私個人の視点でチョイスしています。
多種多様な革素材、その中から人気の3種類の魅力をお伝えします。

ヌメ革(COW HIDE TANNED USING TANNIN)

ヌメ革 自分だけの風合いに育てられる革

なめしたままの状態で、染色や塗装・型押しなどの表面加工を施していないものをヌメ革と呼びます。
しかし、現在はもっと広い意味で、タンニンなめしで作られた牛革の総称として使われることが多いです。
日本では、革は輸入ステアハイド、なめしのタンニンはミモザ由来のものを使うことが多いです。

ヌメ革の特徴としてあげられるのは、他の革よりも高い強度です。
上手に手入れをして使用すれば、相当長く使用することができます。
“一生モノ”と呼ばれる革製品が存在する所以ですね。
さらに、小傷程度なら修復も可能です。

また、染色していない無垢の状態であるため、太陽の光で日焼けしたり、
手の脂が染み込んだりして 変色しやすい特徴もあります。
つまり「使い込むに従って“味”が出る革」なのです。

最初はほとんどツヤがありませんが、大事に使っていくと、
一緒に過ごした時間分だけ 自分だけの色、風合いになってきます。
「革を育てる」楽しみがあるのがヌメ革の最大の魅力です。

 

【ヌメ革の革製品に対するワンポイントアドバイス】

購入したら焦らず、数時間、日光のあたる場所で日光浴をさせましょう。
少し飴色に変色させてから使用するのが綺麗な経年変化をさせるポイントです。
また、表面の傷もつきにくく、目立ちにくくなります。

 

コードバン(CORDOVAN)

コードバン 独特の光沢、質感を持つ「革の宝石」

馬革は「ホース・アニリン」と総称されますが、その中でも最も人気の高い素材が「コードバン」です。
コードバンは主にスペイン、またはフランス産の大型の馬から採取されます。

馬革は通常、外側へ伸びる性質があるのに対して、臀部(でんぶ)、
つまりお尻の部分だけは 内側へ収縮する性質を持っています。
艶やかな表皮からこの部分だけを切り離し、裏側を慎重かつ丁寧に削った先に現れるのが
厚さわずか2mm足らずのコードバン層です。

削り出すという採取方法が宝石の発掘のようであるとして「革の宝石」と呼ばれています。
ちなみに全世界でも一カ月に数千頭からしか採取されず、その希少性は非常に高いです。

素材としての特徴は、他の革が銀面と床面の2層構造になっているのに対して、
コードバンは 床面のみを使用する単層構造であること。
また、繊維は整然と縦に並び、キメが細かく緊密です。

なめす前は、繊維がむき出しであることから、滑らかでしっとりとした質感です。
その繊維を寝かすようになめすことで、あの独特の光沢が生まれるのです。

 

【コードバンの都市伝説】

名前の由来はスペインの街「コルドバ」とされていますが、アルゼンチンにも同じ名前の 「コルドバ」という街があります。
どちらが発祥の地か?
確かな証拠はないですが、今のところスペイン説が有力です。

 

ブライドルレザー(BRIDLE LEATHER)

ブライドルレザー 独特の輝きには機能が集約されている

馬術の盛んなイギリスで、馬具専用素材として開発された「ブライドルレザー」。
馬具に求められるのは、人間と馬の命を守るための耐久性と堅牢性です。

ブライドルレザーは、タンニンなめしを行った後で、オイルやタロウと呼ばれる牛の脂と
植物の油でつくったロウ(蜜蝋、パラフィン)を染み込ませることで、
一般的な皮革よりも 撥水性が高く、強く頑丈な革へと仕上げられます。

革の内部までしっかりとロウを浸透させるには、長い時間と職人の高い技術を必要とします。
最上級のものでは、1年以上もかかるため、かなりの高値で取引されます。

表面に浮かぶ白い粉状のものはブルーム(Bloom)と呼ばれ、革の中からロウが染み出したものです。
使うにつれて革の内部へ戻り、消えていきますが、早く落としたい場合は柔らかい布で磨いても構いません。
購入してからしばらくは、革の表面にロウが残っているため、 特に手入れは必要ありません。
長く使って、ロウが減って輝きが失われてきたら、
天然成分配合の皮革トリートメントで 磨いてあげると輝きが蘇ります。

 

【ブライドルとは…】

独特の「輝き」が「ブライドル」の由来と思いがちですが、実は違います。
イギリスでは馬具全般のことを「Bridle」といい、そのために開発されたことが語源です。

 

その他の革の種類

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